脱毛症とは、身体のある部位の毛髪が異常に抜け落ちる病気の総称です。脱毛症は、遺伝的な要因やストレス、免疫系の異常など、様々な要因が絡んで発症することがあります。


脱毛症には複数の種類があり、男性型脱毛症、女性型脱毛症、他にも円形脱毛症、休止期性脱毛症などそれぞれ特徴や対処方法があるので、脱毛している原因を明確にすることが重要です。

脱毛症の種類

脱毛症には主に次の2種類が挙げられます。

・男性型脱毛症
・女性型脱毛症

男性型脱毛症

男性型脱毛症は生え際から一部分におい髪の毛が抜けていく特徴があります。

女性のように髪の毛のボリュームが全体的に下がっていく 傾向はあまり見られません。
男性型脱毛症の主な特徴として 抜け毛が多くなったり 地肌が透けてきたりするなどの点が挙げられます。

男性型脱毛症の原因のひとつにストレスがあるといわれています。これは精神的な緊張や疲労などにより血管を収縮させてしまうため頭皮の血行が悪くなってしまうことが挙げられます。
他にも生活習慣や遺伝などさまざまな理由が考えられるのです。

女性型脱毛症

女性型脱毛症は従来閉経後以降の高齢女性が主な対象でしたが、現在では30代から40代の女性にも見られる傾向があります。

30代から40代の頃から女性ホルモンの分泌が減ることによって、髪の毛が細くなったり頭頂部から髪の毛のボリュームが減る点が特徴です。

男性のように生え際に大きな違いはなく、全体的に髪の毛のボリュームが落ちてきます。

その他の脱毛症

脱毛症は他にも成長期性脱毛症と呼ばれるタイプがあります。
成長期性脱毛症には次のような種類が挙げられます。

・休止期性脱毛症
・円形脱毛症
・脂漏性脱毛症
・汎発性脱毛症
・感染性脱毛症

休止期性脱毛症

休止期性脱毛症とは短期間で脱毛が続く状態です。本来成長期であるべき髪の毛が突然休止期につながることで頭皮が全体的に薄くなっていきます。主に、強いストレスや施術、感染症などにかかったときになる可能性があります。

休止期性脱毛症は、髪の毛が一時的に抜け落ちる現象です。そのため、突然髪の毛が抜けることがありますが、しばらくすると再び新しい髪の毛が生えてくることが多いです。
しかし、休止期性脱毛症になった原因によっても症状が異なります。

脂漏性脱毛症

頭皮が脂っぽくなることで、毛穴が詰まってしまい、髪の成長を妨げてしまう病気です。頭皮がかゆくなることがあります。

また、髪の毛をとかすときに頭皮を傷つけてしまいやすくなり、フケや脱毛の原因にもなります。さらに進行すると円形脱毛症になることもあります。

脂漏性脱毛症の原因は、脂漏腺から過剰に分泌された皮脂が頭皮に残り、アクネ菌などの細菌が繁殖して、頭皮の炎症を引き起こすことが考えられます。また、ストレスや遺伝的要因、生活習慣の乱れ、食生活の偏りなどが関与することもあるとされています。

脂漏性脱毛症の治療には、薬用シャンプーや外用薬などが用いられます。炎症を抑えるステロイド剤を含む外用薬や、抗真菌薬を含む薬用シャンプーを使用することで、症状の改善が期待できます。

また、生活習慣の改善やストレスの軽減、バランスの良い食生活を心がけることも大切です。ただし、症状が重い場合には、皮膚科を受診して専門的な治療を受けることが必要となる場合があります。

円形脱毛症

円形脱毛症は男性型脱毛症によく見られる症状です。男性ホルモンの影響によって起こると考えられています。

頭部などに突然多量かつ広範囲に毛が生えなくなる症状で、原因は不明とされています。思春期から青年期にかけて多く発症し、ストレスや精神的不安などが引き金となって起こることが多いようです。

また、一部の円形脱毛症では、他の場所に新たな発毛が見られることもあります。これは「二次性徴型」と呼ばれていて、成長期に多く見られるため、若年性の脱毛症とも呼ばれています。

汎発性脱毛症

円形脱毛症と同様に、何らかの原因によって頭部の一部または全身の毛が抜ける脱毛症のうち、皮膚にも症状が出るものを総称して汎発性脱毛症といいます。こちらは遺伝的な要素が強いものです。

頭皮にかゆみや炎症があると、その刺激で抜け落ちてしまうことがあります。また、円形脱毛症とは異なり、ストレスが原因で発症することが多いようです。

円形脱毛症のように一気に髪の毛が抜け落ちることはありませんが、少しずつ進行し、徐々に髪が短くなっていきます。そのため、気がつくと前髪が薄くなっていて、おでこが広くなっているという場合もあります。

さらに進行すると、頭頂部から後頭部にかけて広い範囲にわたって髪が薄くなったり、地肌が見えるほど短くなってしまいます。

感染性脱毛症

感染性脱毛症はウイルスや細菌などが原因により起こる 脱毛症のことです。 性別や年齢問わず発症する可能性があります。 感染性脱毛症には白癬菌と梅毒トレポネーマの2種類あります。

いずれの感染症においてもより 症状が悪化する可能性があるため、 早期の治療が必要です。梅毒性脱毛症とは 梅毒に感染することによって症状が悪化する特徴があります。 最初にピンク色の円形のあざが現れ、側頭部や頭部の後ろ側から広範囲に広がっていきます。 痒みや痛みが出ないことがほとんどなので初期の段階で気づかない可能性も十分にあります。

白癬菌と呼ばれるカビが入ることによって脱毛症につながるケースがあります。 初期段階では髪の毛が抜けやすくなり、皮膚の角質層が剥がれ落ちることによってフケが発生しやすくなります。 だんだんと円形の脱毛症状に範囲が広がっていきます。

白癬菌は早めに適切な治療をしなければ永続的な脱毛 状態になることがあるため十分に注意が必要です。

感染性脱毛症はウイルスや細菌が原因で髪の毛を成長させる 細胞組織がダメージを受けることにより、脱毛に繋がっています。進行が早いため 早めに専門医に相談するようにしましょう。

まとめ

脱毛症は身体からの毛髪の脱落とされていますが、さまざまな種類があります。
現状どの症状にあてはまるのかを把握して、的確な対処をすることが重要です。
そのためにも、まず専門医に相談をするようにしましょう。どのような症状であるかを把握しないと、正しい対処ができなくなります。