髪の毛が成長する上で、成長期、退行期、休止期といった段階があります。この段階のことをヘアサイクルと呼びますが、ヘアサイクルが乱れて成長期が短くなることでAGAにつながる可能性があります。

AGAでは、頭頂部や生え際などにおいて髪の毛が薄くなったり、髪の毛の量がボリュームダウンするなどの症状が見られます。

AGAとは

AGA(AndrogeneticAlopecia)とは、男性ホルモン型脱毛症のことです。進行性の脱毛症であり、頭頂部や生え際などの髪の毛が薄くなる特徴があります。 

AGAが進行すると、生え際の後退がよく見られる症状です。さらに、頭頂部が薄くなることが多く円形になる場合もあります。AGAの進行は、頭部の皮膚にできた毛包をつかさどる器官である「毛乳頭」が機能しなくなることで始まります。そして、この機能が停止すると髪の毛の成長も止まり、結果として髪の量が減っていくのです。

AGAの要因

男性型脱毛症は、男性ホルモンの一つであるテストステロンが5α-還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることで起こります。DHTは髪の毛の成長に必要な栄養を妨げ、毛根の萎縮を引き起こすため、髪の毛が薄くなる原因となります。

生活習慣やストレスは、AGAの発症や進行に影響を与えることがあります。例えば、睡眠不足や不規則な生活リズム、過度なアルコール摂取、栄養不足などは、体内のホルモンバランスを乱し、AGAの進行を促す可能性があります。

また、ストレスもAGAに関連しています。ストレスは、交感神経の興奮を引き起こし、血行や自律神経の乱れ、免疫力の低下などを引き起こすため、AGAの発症や進行につながる可能性があります。

さらに、ストレスによってコルチゾールが分泌されると、DHTの作用を増強することが知られています。

AGAの治療方法

AGAを治療する場合は専門のクリニックなどに行く必要があります。治療方法として次の4種類が挙げられます。

・ミノキシジル
・フィナステリド
・レーザー治療
・植毛

ミノキシジルとは局所的に使用する医薬品で、血管を拡張させ、毛根の血流を改善する効果があります。AGAの治療に有効です。

フィナステリドは内服薬で、男性ホルモンの一種であるテストステロンが転化してできるジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑制することによって、AGAの進行を抑える効果があります。

このほかレーザーの光りをあてることで毛根の活性化を促すほか、AGAが進行している場合は植毛が必要になる場合もあります。

AGAの症状

AGAの症状は初期症状、進行した場合によって内容が異なります。また、ほかの脱毛症と症状や対策が異なるため、不安であれば早めに専門医に相談するようにしましょう。

AGAの初期症状

AGAの初期段階として、髪の毛がだんだんと細くまた薄くなっていくケースが見られます。さらに、男性の場合は生え際や頭頂部が薄くなる傾向にあります。

シャンプーをしたり、ブラシなどでといている場合に多くの抜け毛を発見する場合もあるでしょう。

AGAが進行した場合の症状

AGAは進行すると、生え際の後退が良く見られる症状の一つです。さらに、頭頂部が薄くなることが多く円形状になる場合もあります。 

AGAと他の脱毛症との違い

AGAは頭頂部や生え際が薄くなる特徴がありますが、円形脱毛症は場所を限定せずに頭皮が円形に抜けていきます。さらに、AGAは、男性ホルモンによって引き起こされる遺伝的な要因が原因であることが多い一方、円形脱毛症は自己免疫疾患によって引き起こされることが多いです。

全身性の脱毛症は、化学物質や放射線、薬物などの副作用によって引き起こされる場合があります。

治療法もほかの脱毛症と異なり、AGAはミノキシジルやフィナステリドなどの医薬品を活用することが一般的ですが、円形脱毛症や高専療法やステロイド剤の注射などを利用します。同じ抜け毛であっても対処方法が異なることから、専門医に相談することが重要です。

AGAにならないためにすべきこと

AGAになる確率を減らすために次のことをするようにしましょう。

・頭皮をきれいにする
・生活習慣を整える

頭皮をきれいにする

毛根に汚れや 皮脂がたまることによって 炎症につながる可能性があります。皮脂が増えることでマラセチア菌が繁殖しやすくなり皮膚炎につながり、毛根にも影響があることから抜け毛につながります。

このため、頭皮を常に清潔にすることが重要です。また、シャンプーのすすぎ残しも炎症の原因になるので注意が必要です。

生活習慣を整える

生活習慣とAGAは関連性があります。食生活が乱れたり適度な運動をしていなかったりすると、血液に老廃物や脂分がたまりやすくなることから、血液がドロドロになったり血管が収縮しやすくなったりするなど血流が悪化します。


血流が悪化することで、髪の成長に必要な栄養素や酸素が届かないことから、AGAにつながりやすくなる可能性があるのです。そのため、AGAを防ぐためには、生活習慣を見直すことが重要です。


特に睡眠不足や喫煙、飲酒などの生活習慣の乱れには要注意です。ストレスも薄毛の原因になりやすいため、できるだけ発散させるようにしましょう。


AGAを改善するためには、日々の生活習慣から見直してみることが大切です。規則正しい生活を心掛けていれば、頭皮の血行が良くなり栄養がしっかりと届くようになります。また、適度な運動を行うことによってストレス解消にもなりますし、自律神経のバランスを整える効果もあるのです。


生活習慣の見直しとともに重要なことは、食事内容にも気を配ることです。バランスの良い食事を毎日3食きちんと食べることで、必要な栄養素をまんべんなく摂取することができます。そして、その栄養素の中から育毛に効果があるものを優先的に摂るようにすれば良いでしょう。

まとめ

AGAは髪のヘアサイクルが乱れて、成長が滞り短く細い髪の毛が増えるようになります。
AGAは進行性のある脱毛症であり、他の脱毛症と特徴や対処法が異なることから早めに専門医に診てもらうことをおすすめします。